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テキトー簡単お魚料理タイトル

ギョギョッ! 次は「無臭」魚…




キッチン 過日の新聞記事(6月17日朝日新聞夕刊)を読んでいたら、こんな記事のタイトルが目に飛び込んできました。「魚離れ『無臭』で対抗」…。「骨なし魚」の次は「無臭魚」ですか…。記事の一部を抜粋すると、なんでも「魚臭さを抑えた『におわない魚』が人気だ。みかんやレモンの香りをつけた『フルーツ魚』を売り出す地域も増えている」とか…。魚離れの中、新しい需要の掘り起こしが目的で、開発したのはクロマグロの養殖で有名な近畿大学だそうです。某大手スーパーでは「におわない」というシールを貼って鮮魚売り場に並べているそうで、ある主婦の声、「お肉みたいにジューシーで気に入っています」。ここで偏屈オヤジの突っ込み。「じゃあ、肉を食えばいいのに」。

基本的には、誰が何を食おうがそれは本人の勝手ですが、大海原から魚を引っこ抜いて食する楽しさを知っている釣りオヤジに言わせれば、「それは魚ではな~い!」。魚離れ、大いに結構ではないか。魚資源の確保にもつながるし、釣り師が釣る魚が増える(セコイ…)。食べたくないのなら、食べなければよいのです。

この「無臭」の魚は「フルーツ魚」とか謳って、その「作り方」はエサにそうした成分を混ぜて養殖するそうです。大海原を泳ぐ天下御免の自然界の魚を「フルーツ魚」とやらにするのではないことに、少しホッとはします。養殖のブリに脱臭効果のある「茶の粉末」を大量に加えるのだとか。開発の背景にあるのが魚離れであることは前述しましたが、農林水産省によると、1人当たりの魚介消費量は2011年度に肉類に逆転されたようです。で、その後は魚介消費量が減少傾向にあるようです。

記事に「フルーツ魚」の事例がありましたので、一部を抜粋します。()内はそのエサです。「みかん愛たい(みかんの果汁、いよかんオイル)」「あたたハマチtoレモン(レモン果汁など)」「柚子鰤王(柚子の果汁や果皮)」…。一応笑えるものとしては「かぼすヒラメ(かぼす果汁)」。某回転寿司で、みかんの皮と果汁をエサに混ぜた「みかんブリ」のにぎりを始めたところ、通常のブリの1.5倍の売り上げであるとか。担当者の言、「さっぱりとした後味が人気で、魚嫌いの子供が食べてくれる」。あー、そうですか、良かったですね…。まったく、至れり尽くせりの「フルーツ魚」。知らないうちにみかん味にされたブリの気持ちを考えると、不憫で…。みかんが食べたければみかんを食べればいいのです。ブリにはブリ本来の、旨味があるのです。なんか、コーヒーにレモン果汁入れて飲んでるみたい(飲んでる人がいたら失礼)。

今では「みかんサーモン」、「すだちしまあじ」なんてのが続々と出ているそうです。そんなの食べて育った子供は将来、みかん味のサーモンや、すだち味のしまあじが海を泳いでいるのだと思ってしまうのでは…。そのうちに、「イチゴヒラメパフェ」とか、「メロンマダイケーキ」とか「チョコレートブリ饅頭」なんてのが出てきたりして…。

魚の「魚臭さ」というのは新鮮な魚ではそれほど強くないし、それは「旨味」の成分でもあるのです。あらゆる生物がそうであるように、臭みへと変わってしまうのは細菌の働きで、最終的にはアンモニア臭となり、ついには腐敗です。これは魚だけに限らないのです。豚肉だって豚臭さというものはあります。豚にそんなこと言っても「だって、豚だもん」と答えられるだけです。全ては自然の臭いであり、その匂い(&味)により、人は食する素材の状態を知ることができるのです。臭みが強くなっていれば、それは「いたみ始めている」ということです。天然のマダイなどは海から釣り上げた瞬間、何とも言えぬフルーティーな匂いがします。中には「腐る寸前」を好む人もいますけど…。

おかしいと感じることをまとめます。例えば「無毒のエサによる養殖フグの肝の生食」というものを解禁にするかどうかの議論がありますが、私は絶対に反対! もし解禁になって「フグの肝は食べられる」なんて危険な認識が少しでも広がったら、どうなります。いくらかの人が亡くなる危険性が高くなります。人は自然の力で食べられるものとそうでないものを分別できるのです。「酸っぱいと腐っている」「苦いと毒かもしれない」「甘いとカロリーが高い」とか。自然の味、在り方を変えて、その力を「商品開発」という名のもとに、失わせていくのではないかという懸念が、誠に強い。

記事の最後にこのような記述がありました。「とはいえ、『におい』のある本来の魚の販売が(養殖魚の)安定経営には大事」。当然でしょ。記事の最後にこの言葉を見つけて、安心しました。「骨無し魚」や「フルーツ魚」などの、魚本来の旨味をスポイルすることで失うものの方が大きいのです。それは魚ではなく、別の食い物です。いっそ、イチゴクラゲでも売り出せばいいのに。イチゴゼリーと同じなんちゃって。ハイハイ、このへんにします。いいんです、オヤジの戯言で。

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