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テキトー簡単お魚料理タイトル

「骨なし魚」に反論




キッチン これは「五感で味わう魚の旨み」にも書きましたし、兄弟サイトの「船釣り」の中でも書いたことですが、昨今目にする「骨なし魚」なるものに、情けなさのような気持ちと、「何を考えてんだか…」といった皮肉めいた気持ちを持っています。本サイトでは、それこそ「魚の旨みを骨まで堪能しましょう」と、自分の経験してきた美味しさをご紹介しています(決してレシピサイトとは思っていません)が、その中で「魚の骨」の持つ旨味が重要であることは言うまでもありません。牛肉や豚肉でもそうですが、美味いのは骨の近く。そこには「旨味」があるからです。その旨みをどの段階で取っているのか正確にはわかりませんが、いずれにしても流通のどこかの加工段階で骨を取っているわけで、旨味を取るだけでなく、それが更に美味しくなる「熟成」の機会も失わせていると思えます。

釣り上げたばかりの魚は新鮮ですが、即料理して楽しめるのは食感です。旨味と云う事になれば少し寝かせた方が美味しくなります。私は魚によってはエラと内臓を取って、一晩程度寝かせますが、漁師の話では釣ってから36時間程度で旨くなるとか。もちろん、低温状態でのことですけど。36時間とは一日半。漁師が釣り上げ、〆て市場に収め、流通を経てお店で調理され、お客の口に入るのがそれくらいの時間なのでしょう。もちろん「活け」の場合は違いますが。最終的に、消費者が食するまでの時間に「熟成」が起きている訳です。その魚には当然骨が付いています。その状態で旨味が増していくのです。
 
TVのCMで、子供が魚を食べないと嘆いている主婦たちに「それは骨があるからよ」といったものを見かけましたが、「何と言っていいのか…」です。魚を捌くのは骨を取ることであり、食べやすくするわけですから「骨なし魚」とどこが違う、と突っ込まれそうですけど、「骨なし魚」にはハナから骨がない訳です。旨味を取られて流通しているわけです。焼き魚にしろ煮魚にしろ、骨から浸み出す旨味がないのです。試しに刺身を焼いたり煮たりしてみてください。イマイチな味になるはずです。刺身と焼き魚、煮魚はまったく別の食べ方なんです。骨なし魚はこのように、刺身のサクを焼いたり煮たりしているようなものです。
 
それと、これも「五感で味わう魚の旨み」の中に書きましたが、人は魚の小骨や口に入れたものに異物があれば、それを選り分けられる器用な舌を持っています。これは食によって鍛えられると考えます。そして、この口と舌は食べるだけではなく、人と人とのコミュニケーションの器官でもあります。ここを鍛えることなく、口にやさしいものばかり食べていると、この力が弱ってしまうのでは。となれば、コミュニケーションの力もまた然り。仮説と言えば仮説ですけど。

小骨なんか一緒に食べてしまえば大丈夫です。「食べやすい魚」より「美味しい魚」を知れば、子供も魚を喜んで食べるのではないでしょうか。官民が力を合わせて「子供を弱くしている」ように思えてしまいます。最近の若い人はオヤジとなってしまった私の世代に比べ、足は長いし、総じてスタイルもいいし、ここは少々羨ましいのですが、どうも顎や髪の毛が細くなっているように見えます。喋るのも言葉の省略が多く、長いフレーズが喋れない。要は話がブチ切りになってしまう。それを「骨なし魚」とダイレクトにつなげるようなトンチンカンを言うつもりはありませんが、「ワイルドだろ」なんてギャグ(私は面白いと思わないのですけど)が流行るのは、ワイルドさが失われているからでしょうね。人が持っている野生の感覚と力で喰らいましょう。骨なんかバリバリと。美味しいのですから。

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