テキトー簡単お魚メニュー メゴチの天ぷら
●メゴチはキス釣りの定番外道です。色々な種類があるようですが、ネズッポ科の総称としてメゴチと呼ばれているようです。しかし、ネズッポ科というのは随分とテキトーな名称のような…。なるほど、顔を上から見ると口が付きだしてネズミのように見えなくもないです。この魚は大きくなっても20cm程度で、キスのように餌を吸い込んで捕食しますので良く針を飲み込まれます。釣った事がある人はお分かりでしょうが、メゴチバサミという道具がありますから、釣り上げたらこれで掴みましょう。体の表面がズルズルの粘膜に覆われていますし、それほど鋭くは無いですが、両えらの所に棘があります。このメゴチ、マゴチの子供のような姿ですが、別の種類です。メゴチはマゴチにとっては餌ですが(ややこしい)、共食いではありません。砂泥地の底べったりを泳いでいます。キス釣りの外道と書きましたが、マゴチを狙う私にとっては大切な活き餌です(エビ餌のマゴチは釣趣がイマイチですので、私はやりません)。しかし、人間様が食べても、キスに劣らぬ美味さを楽しめます。

●マゴチの餌で余った時、もうこのお魚は「天ぷら」への運命をたどります。ちなみにメゴチのヌルヌルは海水を入れたクーラーで持ち帰る時、車に揺られて、家に帰った時には取れていますが、残っていたらペーパータオルで取り除いてください。調理の邪魔になります(滑る)。捌き方は、難しくはないのですが、ちょっとしたコツで簡単に、メゴチの天ぷら特有の「松葉おろし」になります。まず、尾びれ側から背びれに包丁を入れます。そこから包丁の刃で背びれを削ぎ取って行きます。

●ここからがコツなのですが頭の後ろまで背びれを削ぎ切ったところで、頭を「腹側の皮」を残して頭を切り、裏返して頭側の中骨を包丁で抑え、頭ごと、内臓や、腹と背に残った皮を尾びれの方向にむしり取ります。ちょっと言葉で言うと難しいかもしれませんが、実際にやって見れば簡単にできます。

●身から中骨を切り離します。下のイラストのような状態になります。中骨と、身の先に残っている腹骨(内臓近辺にあった骨)も切り取ります。ハイ、これで先に書いた松葉おろしの状態になります。

●この両側外に開いた身の状態を「松葉」に例えているのでしょう。メゴチ独特の捌き方です。これを天ぷらで揚げます。見た目にもフックラと実に美味しそうに揚がります。

●メゴチの天ぷらは、キスの天ぷらより美味いと言う人もいます。キスは身にかすかな苦みがありますが、メゴチにはそれがありません。確かにキスに勝るとも劣らぬ上品な白身です。余談ですが、私はボート釣りでマゴチを狙いますが、メゴチは年によってはなかなか釣れない時があります。そんな時に家人がキス釣りで先にメゴチを釣り上げるとマゴチの餌にするため私が取り上げます。ピンギス(小さなキス)でもマゴチは狙えますが、やはりメゴチの方が喰いがいいのです。家人は恨めしそうな目で私を見ます。その美味しさを知っているからです。しかし、それでマゴチが釣れると更に美味しいものが釣れたわけですから喜びます。喰い意地というのは実に分かりやすく単純です。
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